“軌跡”

のんびりまったり推し活。加藤和樹さんが好き。

再演タイタニック 大阪公演感想 10/22

再演タイタニックの観劇記録です。シアタードラマシティにて。10/22。大千秋楽。当時Twitterに書いた感想の抜粋です。ツイート毎に区切ってます。作品の詳細な感想というより、呟きを勢いのままに残したものになっています

 

 

 

おし!家出るかー!
最終便の乗船券はきちんと鞄に入れた
今日も一等客の気持ちで乗船してきます!

 

完璧主義者のアンドリュースが、一瞬不安そうに船を見上げて、微笑んで去っていくのやっと見れたあぁぁ

 

ドセン素晴らしい……

 

通信室で、初めてバレットがタオル忘れてるの見てしまった。なので今日は手をごしごしするところ見れなかったwww

 

船はゆーくーゆーくーなんとかかんとかー(ポンコツ

 

尊い

 

推しが尊かった

 

拍手が波のように押し寄せて、わーって大きくなって……ああ

 

アンドリュースビジョン最高かな

 

和樹さんは紛れもなく作品の芯にいて、主演だった。そんなアンドリュースビジョン

 

今でもアンドリュースさんは設計図を書いているのかな、つらいな。と思ってたのだけれど、きっと完璧な設計図はもう完成したに違いない、と思ったら、少しだけ気持ちが楽になった
けれど、和樹アンドリュースは生涯船と添い遂げそうでなんかもうね…
設計図が完成したあとも、水底でタイタニックと共にいそう。なんとなく

 

最後の笑顔。どうして冒頭のシーンよりももっと笑っているのか、最初わからなくて。でもアンドリュースは、設計図が完成したあともずっと引っかかってる点があったのだと、改めてインタビューを読んだところで気がついて。水底で設計図を書き続けて、やっと完成した完璧な設計図。それに満足した時にやっと出た笑顔なんじゃないかなぁと、今日話して納得がいったというか。イスメイが見た幻想の可能性もあるんですけども、私はこれが一番しっくりきたんですよね

 

栗原さんのエドガー大好きでした。今日の大楽。アリスから「ワンワン!」されて鞄ひっくり返しちゃうの可愛かった。「シロクマのケツに〜」のところ、言葉に詰まってしまうエドガーに泣かされた。本当に最高だった……
再再演も栗原さんがエドガーだったらいいなぁ、と

 

アンドリュースビジョン。下にいる人たちがバラバラになった時に、生き残る人は舞台奥。そのまま亡くなった方はあの場に残ったままになってたことにやっと気付く。今日真ん中ドセンだったので、本当に見え方が全然違った。最後がここでよかった

 

カテコ、相変わらず禅さんと藤岡さんに真ん中で挨拶しろー!されてるの可愛かった。禅さんや藤岡さんと軽く肩組んでるのを見て、あーなんて仲の良いカンパニーなんだろうなと。幸せな気持ちに

 

そして和樹さんの二つ折りケータイ挨拶?あれしたらカテコ終わりみたいな何かあるのかしら??笑
毎回あれで終わる。再演1789で、和樹ロナンが上から出てくるのと同じな満面の笑みを浮かべたらカテコ終わり!みたいな空気あったけどあれと同じ

 

海が迫ってきて、必死に柵を乗り越えるアンドリュース。足が片方台の向こう側?何て言ったらいいかわからないんですけど、宙に投げ出されたように見えて、本当に落ちてしまいそうなリアリティがあってそれにもドキッとした。だって本当に迫ってるように見えるんだもん。死が目の前に

 

三等客の食事シーン。金持ちになりたい男がキスを迫って「キスはアウト〜!」とか言われながらずずいっと引っ張られるのが面白かったんですけど、その金持ちになりたい男も栗原さんというね。私栗原さん好きだな!笑

 

しかし三等客。救命胴衣も全然足りないし、本当に扱い酷かったんだなーって。結局深く史実は調べないままだったんですけど私は。作品見てるだけでも階級の差って凄かったんだなーと

 

燕尾服。漸くオペラで全身おさめることができて大満足。頭身バランスがあまりにも美しく、スタイルも良く、お顔も彫刻のようで、何故こんなに似合っているのか理解が追いつかない。とりあえず人間国宝だということはわかる

 

燕尾服に気を取られて全然気付いてなかったんですが、女性側の椅子を先に引いてあげてたんですねあれ。全然見えてなかった。とりあえず美しすぎてしんどい(しんどい)

 

この作品の中で、バックグラウンドを語られることがなく、また語ることもないアンドリュースさん。彼がどういう人か知る術が限られすぎていて。だから幕前芝居の30分が滅茶苦茶大事なんだなぁと
会話してるの船長とイスメイさんだけだもんなぁ。オフマイクでならぽつぽつ会話してるし、ベルボーイに「逃げてください!」って言われたりアリスに「踊りましょう!」って誘われたりはしてるけど、よくよく考えたらそれにオンマイクで何かを返してるわけではないんだなぁと
それでアンドリュースさんの人となりをどうやって知るのかというと、幕前30分芝居(台詞なし)と、作品内で登場した時の言動だけなんだなーと。そこで観客側が想像するしかない。あとは史実を探るとか
あれだけの出番で、彼のバックグラウンドが語られてない状況で、彼がどういう人物なのかを観客に悟らせる……って結構大変なんじゃないかって話になって。幕前芝居は見ない人もいるし、一幕は一人で歌う場面すら少ないし、見せ場って本当にラストしかないもの
……あれ、何が言いたかったんだっけ?←
つまり、そんなアンドリュースさんがちゃんとどんな人物かを悟らせる和樹さん凄いなーって思ったというお話

 

語られないし語らないけど、見えないところで彼がタイタニックのことをずっと考えて動いているのが見える。出航してから毎日くまなく船内を見て回っていたんだろうな、というのが目に見えないけど見える。「アンドリュースはこういう人物」というのが、ぶれずに観客の共通認識としてあるの凄いよなぁと

 

 


(アンドリュースの心情について納得いくまで考察した結果完成した、小説のような何か)

 

作品の中でのアンドリュースの心情とか、そういうものに、やっと納得のいく結論が出せたので書き残す。どうしてもボートを送り出すところで笑顔になるのが理解出来なくて、それが悔しくて凄く頑張った←
言葉では難しかったので小説形式。小説というほどのものでもないけれども

 


タイタニックは完成した。だが完璧主義者のアンドリュースには気になる点があった。不安に思うところもあったが、きっと大丈夫だろう。そう信じ、微笑みを浮かべて完成した我が子を見上げる。

出航してからも、何処か不備はないか。問題はないか。船を隅々まで巡り自分の目で確かめた。クルー達から漏れる不満も拾い上げ、手帳に纏める。幾つかの不具合は出ていたが、船は問題なく米国へ向け進んでいた。あの日までは。

船体が大きく揺れ、机の上から物が落ちる。一体何が起きたのか。自分の目で確かめる為、アンドリュースは自室を出た。
そうして破損箇所の確認を終えた。呼吸が乱れ、指先の震えが止まらない。タイタニックは沈むのだ。

救助の船が来るには四時間も掛かるらしい。その頃には、タイタニック海上から姿を消しているだろう。一番近い船は救難信号を受け取る様子がない。
だが、神なら。神なら、この危機的状況から我々をお救いになるだろう。神の意志ならば、きっと。

救命ボートに女子供が乗り込み、一艘、また一艘と暗闇の中に降りていく。これが最後の一艘だ。乗客が救命ボートに向かって愛を叫ぶ。そこで気付いた。神の加護はここにあったのだと。救命ボートに乗った人達が、船に残った人々の愛や絆を未来へと繋いでいく。それは永遠になくならない。忘れ去られることはないのだ。
全てが失われるのではない。生き残る人がいること。それが神の救いなのだと、アンドリュースは気付く。やはり神は我々をお見捨てにはならなかった。最後の一艘を笑顔で送り出す。未来への希望を、愛を、絆を、繋いでくれると確信しながら。

最後の希望が船から離れたことを確認してから、アンドリュースは自室にこもり、改めて設計図と向き合った。すると、今まで見落としていた船の欠陥が、いとも簡単に見つかった。隔壁だ。ここをもっと高くしていれば、タイタニックは沈むことはなかった。
ここを、こうしていれば。アンドリュースの指が設計図の上を滑り、隔壁を伸ばそうとする。ここも!ここも!!こうしていれば、誰も死ぬことはなかった。設計図の欠陥を直すことに必死になっていると、逃げてください!と声が聞こえた。ハッとして顔を上げる。
設計図を手にデッキへ出ると、人々が暗闇の中に飲み込まれていくのが見えた。更に船が傾き、本能のまま、必死に柵を乗り越える。
まだ全ての欠陥を直し終えていない。完璧な船は、まだ完成していない。まだ、私はーー。
ぐらりと身体が傾ぐ。あっ、と声が漏れた。海が、死が、目前に迫る。

 

そうしてアンドリュースは、タイタニックと共に海の底に姿を消した。

 

アンドリュースが目を覚ますと、そこにはいつもの机があった。手には設計図を握りしめている。そうだ、完璧な設計図を書いている途中だった。完成させなければ。航海中に出た幾つかの不具合。そして隔壁。ここを直して、また見直して。完璧な設計図を、船を、作らなければ。
彼は机に座り、設計図と向き合った。
どれだけの時間が経ったのか。漸く完成した、完璧な設計図。完璧な船。何処にも不安は見当たらない。晴れやかな気持ちで設計図を広げると、隣から船長が覗き込んできた。航海士達も続いて部屋に入ってくる。満足そうに頷く彼らを見て、思わず顔が綻ぶ。
そこでアンドリュースは初めて、心から笑うことが出来たのだ。」

 


あいばっちのチャールズが「愛の言葉 交わし合い この絆 永遠に」と歌い出したところ(歌詞曖昧)で笑顔になるアンドリュースさん。生き残る人々がいること。それが神の救いなのだ、とあの時気付いた。という解釈になってます。
やたらと本編中に神というワードを口にするアンドリュースさん。そしてあそこでの笑顔。始まりと終わりでタイタニックが完成した時の表情が違うのは何故か。この解釈が個人的に一番納得が行ったので、勢いのままに書き上げてみました。
アンドリュースという、実在した人物をこの作品の中で和樹さんはどう思って演じていたのか……というのは実際本人に聞かないとわからないのですが、とても信仰心があった人なのかな。そして船を心から愛していた。作品の中で生きる彼を見られて本当に良かった。
再再演でまたアンドリュースさんを演じることがあれば、芯にあるものは変わらずまた変化したアンドリュースさんを見ることが出来るんだろうな。その時に、この感想を当時を懐かしみながら読み返したい。
素敵な作品を、役を、ありがとうございました。次の出航を心待ちにしています。

 

また再演で出逢えますように