“軌跡”

のんびりまったり推し活。加藤和樹さんが好き。

加藤和樹のアルマン・ジローを愛した女の話

 

再演が発表されたあの日、再演が決まった嬉しさと、和樹さんのアルマンがいない悲しみで、私の感情はごちゃごちゃになってしまった。
今まで和樹さんの出ている作品はかなりの確率で再演されていて、好きになった役に二度と会えないなんてことがなかったから、また会えると勝手に信じてしまっていて。それは本当に恵まれていることだったんだな、と、改めて思い知らされることになった。
そこからマタハリの何かしらの発表があっても心から喜べない日々が続いてしまって、そんな自分が凄く嫌だった。諦めないといけないのに、諦めきれずに和樹アルマンの思い出に浸ってばかりいるのが情けなかった。


そして再演マイ初日。和樹さんのラドゥーは本当に素晴らしく、更に役が深まっていた。観劇しながらボロボロに泣いて、私はマタハリという作品自体が大好きだったんだなと。
ちえマタ、和樹ラドゥー、りょんアルマンという新たに好きな組み合わせにも出会えて、心から再演を楽しむことができてホッとした。和樹さんが更にラドゥーを進化させられたのも、一役に集中したからこそだと思った。


でもやっぱり、心の中にある「再演verの和樹アルマンが見たかった」という気持ちは消えなかった。再演の雪が降る演出の中歌う普通の人生が聞きたかったし、中尉として立つ英雄であれも聞きたかった。バチバチに争う二人の男だってこの目で見たかった。
あまりに引きずるのは本当に女々しくて嫌だな、と思いつつも、再演のDVDに初演の映像を残して欲しいと何度もメールしたし、アンケートも送った。やるべきことをやってないのに諦めたくなかった。


そしてゆる生で出た、ピアノライブでマタハリの曲を歌うという知らせ。絶対歌ってくれると信じてチケットを取った。


大佐が目の前に現れて、「想像できる君の心」と歌う。まさかの二人の男。
そしてくるりと体を反転させ「きっと戦争の恐怖」と、大佐からアルマンに切り替えて歌った瞬間、そこにはあの日のアルマンがいた。
涙腺が緩んだ。初演からずっと会いたかった和樹さんのアルマン。ずっとずっと待っていた、願い続けていたアルマンがそこにいた。
普通の人生を歌う前に、大佐からアルマンへと変化する。立ち姿があまりにもアルマンで、あの時のままで、そこでまた泣いた。
普通の人生をただ願うアルマンは、あの時の美しい記憶のまま、でも歌唱力は何百倍も良くなっていて。そこにいるのは加藤和樹ではなく、アルマン・ジローだった。
一度自身のツアーで普通の人生を歌ったことがあったけれど、あの時はアルマン・ジローではなく、アルマンの曲を歌う加藤和樹だった。それでも会えて嬉しかったけれど、今回のピアノライブは完全にアルマンだった。
まさかここまでアルマンを入れて歌ってくれるなんて思っていなかったから本当に驚いたし、ミルクティー色のタキシードも、おろした前髪も、茶色がかった髪も、アルマンにしか見えなくて。本当に感謝しかなかった。
「普通の幸せ ただそれだけ」と歌って手を伸ばしたアルマンちゃん。その指先が大佐へと向けられ、
「嘘偽りで真実曲げ 我が身だけを守って」
その歌声を聞いた瞬間、私の中に燻っていた気持ちは全て消えてなくなった。
この歌唱力を兼ね備えた再演アルマンを見たかったな、と、ほんの少しも思わなかったわけではないけれど。
でも、このアルマンを目の前で見られたのなら、もう満足だと思った。もう何も後悔はない。私の見たかった景色がここにあった。


ずっとあなたに会いたかった。2018年2月9日。歯車が完璧に噛み合った、奇跡のような公演を観たあの日から、ずっとずっと会いたくて、再演の発表を心待ちにしていた。
でもそれが叶わないと知った発表の日。きっとこの気持ちはずっと引きずってしまうんだろうな。時間が解決するまで待つことになるんだろうな、と思った。
当時の私にそんなことないよと言いたい。
2021年11月16日に、マタを想い、普通の幸せを願い、瞳を潤ませる和樹アルマンに出会えるよと。
舞台の上でしか実現しないと思っていたのに、ただただ本物のアルマンがいるところを目撃できるよと。アルマンはあれからもずっと和樹さんの中で生きていたんだよと。
完全に芝居の入った二人の男を見られるんだよ。和樹×和樹が現実になるよ!と。


いやもう、本当に、諦めずに訴え続けていてよかったなって思うんです。
この役が好きだよ!会いたいよ!ってずーーーーーーっと言ってたら、こんな奇跡が起こることがあるんだなって。
本当に和樹さんに感謝しかない。ピアノライブをやると決めてくれた運営側にも感謝しかない。和樹アルマンに会いたいよーって一緒にメールとかアンケートを書いてくれたフォロワーさんにも感謝しかない。
初演からの和樹アルマンの女は、やっと心から成仏できました。
でも、何度会っても嬉しいから、これからも持ち歌として沢山歌ってください!!!笑


アルマンちゃん、大好き。マタを見つめる優しい瞳も、あたたかな笑顔も、中尉として立つ姿も、すごくかっこいい敬礼も、普通の人生を願う姿も、何もかも全部!大好き!!!
マタハリという作品のアルマン・ジローに出会えたことは、私の観劇人生において本当に大きな意味があったし、一生の宝物です。
これからもずっと愛してるよ!!!大好きなアルマンちゃん!!!
天国でマタと幸せになってね!!!


愛をたくさん込めて!!!


アルマン・ジローを愛した女より。